2021年イギリスのグラスゴーにてCOP26が開催されました。

COP26は今後の地球温暖化及びその他の気候変動を防止するという観点から、非常に重要な会議として位置づけられています。

では、実際にCOP26とは一体どのようなもので、何が決定されたのでしょうか?

今回は、COP26について、またCOP26を受けての今後についてご説明します。

是非、最後までご覧ください。

1.COP26とは?

COP26についてご説明する前に、まずはCOPについて解説いたします。

COPとは「気候変動枠組条約締約国会議」の略称で、1992年に発効された気候変動枠組条約に基づき加盟国が気候変動への対処法について議論をおこなう国際会議のことです。気候変動枠組条約では、大気中の二酸化炭素の濃度を安定させることを目的としており、CO2削減や地球温暖化対策などが議論の中心となります。

1995年から始まったCOP2020年を除き毎年開催され、2021年はイギリスのグラスゴーにてCOP26が開催されました。
これまでの主要な開催歴は以下の通りです。

COP26では、2015年に採択されたパリ協定を基に温室効果ガス削減についての議論が重ねられ、「グラスゴー気候協定」が採択されました。

 

2.COP26で決定したこと

COP26ではグラスゴー気候協定が採択されたとご説明しましたが、実際に決定したこととは一体どのようなものなのでしょうか?

ここではCOP26における主な決定事項についてご説明します。

 

「1.5℃目標」が公式文書へ明記

今回の合意事項の中で、特筆すべきはこの1.5℃目標の明記です。

これまでのパリ協定では、平均気温の上昇に関して「2℃より低く保ち、1.5℃に抑える努力を行う」とあくまでも「努力目標」という位置づけでした。

しかし、今回の気候合意では1.5℃が目標として明記されたことにより、温室効果ガス削減に対して各国の意欲が示されました。

 

石炭火力発電の段階的削減

今回の合意文では、当初「石炭火力を段階的に廃止する」という文言になっていました。

現在、世界における温室効果ガス排出量の約4割を石炭によるエネルギーが占めていることから、石炭対策が急務となるためです。

しかし、途上国では石炭がエネルギーの中心となっているため批判の声が相次ぎ、「段階的に廃止」から「段階的に削減」へと文言が変更されました。

この合意は、国連の気候変動対策において初めて石炭対策が明記されたものであり、今後石炭を含む化石燃料からの脱却が加速していくことが予測されます。

 

パリ協定6条のルール制定

パリ協定6条とは、温室効果ガスの排出量を国同士で取引するための仕組みのことを指します。この制度は自国の温室効果ガスの削減目標を国同士の助け合いによって達成するために制定されました。しかし、この制度では削減量のダブルカウントが問題として挙げられており、これについては容認派と反対派による意見の食い違いが生じたことから、今まで合意に至っておりませんでした。

今回、このパリ協定6条においてもルール制定が行われ、ダブルカウントについては禁止との取り決めがなされました。そのため、各国が排出量取引を行った際には厳密な測定と報告が求められることとなります。

 

この他にも、目標未達に終わっていた途上国への資金援助の働きかけなど、温室効果ガス削減に向けた様々な取り組みに関する議論が行われました。

 

3.COP26での日本の動き

COP26では日本から岸田総理大臣が参加しました。

COPへの総理大臣の参加はCOP21以来、6年ぶりです。

岸田総理大臣は「気候変動という人類共通の課題に日本は総力を挙げて取り組んでいく」と述べ脱炭素の達成に前向きな姿勢を示しました。

 

また、削減目標に関しても「2050年の「カーボンニュートラル」を実現するため、2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%に向けて挑戦する」と説明し、菅政権で打ち立てた温室効果ガス削減目標を継続するだけでなく、今後より一層高みを目指していく姿勢を示しました。

これにより、日本でも今後脱炭素の達成に向けた動きがより一層加速していくことが予測されます。

 

4.まとめ

COP26では温室効果ガス削減のための目標設定から具体的施策まで、様々な内容が議論されました。中でも、日本において1.5℃目標や石炭燃料の削減などの決定は大きな影響を及ぼすことが予測されます。

また、温室効果ガスの削減目標に関しても現状を引継ぐだけではなく、上方修正を視野に入れており、より一層脱炭素に向けた取り組みが加速することとなります。

 

そこで注目を浴びるのは、再生可能エネルギーの導入です。

発電時にCO2を排出しない再エネは、石炭火力の削減や削減目標の上方修正などにおいて欠かせない存在と言っても過言ではありません。

今後、日本では自治体や企業レベルでもさらに再エネの導入が進んでいくことが予測されます。

この時代の潮流に乗り遅れないためにも、是非皆様も再生可能エネルギーの導入をご検討ください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。